2008年11月26日 (水)

KENWOOD KT-727(7) 上級機に迫る?

KT727の検波段以降の回路構成は、同時期のKENWOODの上級機とよく似ています。DCCが省略されていたり、オペアンプが4558だったり、と上級機と差別化されていますが、素性は悪くないと思います。今回はこの回路構成を活かしてグレードアップを図ってみます。ま、要するに、部品交換だけ、ってことですね。

電源基板

部品No変更前変更後用途
IC1AN6552NJM4580誤差検知アンプ電源は重要ですから・・・
C92200uF/25V3300uF/35V+13V平滑コンデンサ
IC101000uF/35V1500uF/35V-13V平滑コンデンサ
C4330uF/50V470uF/50V+24V平滑コンデンサ

チューナー基板

部品No変更前変更後用途
IC1NJM4560NJM4580検波出力LPFDBMからの信号を受ける部分であり、性能に直結する(はず)
IC9AN6556NJM4580バッファ
IC10AN6556NJM458038kHzバッファ38kHzはリニアMPX動作に使用するので低歪でなければ・・・
IC14NJM4560NJM4580リニアMPXステレオ動作の心臓部
IC15NJM4558NJM4580オーディオバッファ
C46,4733uF/16V47uF/25V+0.1uF/50VIC1パスコン
C76,7722uF/16V(BP)22uF/16V(BP)MUSEIC15入力DCカット気分です・・・
C79,804.7uF/16V(BP)22uF/16V(BP)MUSEオーディオ出力DCカットカットオフ10Hz→2Hzに変更
--33uF/25VIC15パスコン
C7047uF/16V100uF/25VHA11223パスコンデータシートでは100uFが指定

併せて、VR8(MPXICのVCO FreeRun)、VR2(検波歪み)の再調整を行いました。
結果、以下のように優秀な性能となりました。

THD+N0.010%上級機に迫ります
チャンネルセパレーション100dB上級機でもあり得ない性能ですbleah

調整用VRが普通の半固定抵抗なので、ちょっとした衝撃で調整ズレしてしまいます。残念ながら、長期間この性能を維持することは難しそうです。

Ic910c4647changekt727_thd_1khz_lc_2

Ic910changekt727_separation_1khz__2

実際に放送を受信してみたところ、いままでの低音のシマリに加え、高音の解像度と繊細感、滑らかさが加わりました。ハープやギターの音色が美しく、フルオケを聴いていても、これらの楽器が鳴るとどきっとします。

スペクトラムをよく見ると38kHzはうまくキャンセルできているようですが、37kHzと39kHzが大きめに残っています。といっても、-60dBくらいですが。38kHz±1kHzですね。IC10からIC14へのR143(15kohm)を見直す必要があるかもしれません。

2008年11月17日 (月)

KENWOOD KT-727(6) MPX部分を観察

KT-727には日立のPLL FM Stereo Demodulator IC;HA11223が使われています。しかしこのICでは復調していません。なんと贅沢にも、このICは19kHzパイロット信号に同期した38kHzのサイン波を作成するためだけに使われます。実際のステレオ復調は、この38kHzサイン波を使って後段のNJM4200(IC12)とNJM4560(IC14)で行われます。この仕組みはリニアMPXと呼ぶそうで、Atelier Audillusionさんのステレオ復調技術に詳しい動作原理の説明があります。

HA11223のデータシートを見るとステレオセパレーションは45dB@1kHzです。このスペックではKENWOODのプライドが許さなかったんでしょうね。なんとも贅沢な使い方です。

他のオペアンプはNJM4558/AN6556なのに、ここ(と初段LPF)にだけNJM4560を使っていると言うことは、ここは性能を要求される部分と考えます。ということはここに21世紀デバイスに換装したら、もっと性能出ちゃったりしない?歪みも減ってセパレーション70dBオーバー?などと根拠の無い期待を持ってNJM4580(20世紀デバイスか・・・)に換装してみます。結果は、微妙な結果となりました。ちょっと良くなっているような、あまり変わっていないような・・・これ、MPXの性能はNJM4200側の性能なのかも知れません。

NJM4580換装後
Ic11415changekt727_thd_1khz_lch_8_2

オリジナルNJM4560
Kt727_thd_1khz_lch_83mhz90dblch

2次高調波が減った分、全高調波歪率が良くなってます(0.038%→0.018%)。セパレーションは約67dBでほとんど変化なし。
とはいえ聴いた印象はずいぶん変わりました。中高音がすっきりと見通しが良くなり解像度が上がった感じがします。フルオケを聴いてみないとわかりませんが、KT-1010にちょっと近づいた気がします。

2008年11月 4日 (火)

KENWOOD T-1001

KENWOODのT-1001を入手しました。

ヤフオクとかでは結構高値(といっても数千円ですが)で取引されているようなので、その人気の秘密を知りたいと思い、買ってみました。入手元はHARD OFF千葉ニュータウン店です。

1995年頃の、K'sのCORE1000システムのFM/AMチューナーで、アルミヘアライン仕上げの薄型でカッコイイ外観とAMステレオ対応が特徴です。ちなみにアンプ(A-1001)とリモコンが無いと放送局のプリセット操作が出来ないです。

上記サイトの定格;

高調波歪率(Wide、1kHz)mono:0.007%
stereo:0.015%
上級機の性能です
SN比(65dBf入力)mono:75dB
stereo:68dB
普及機の性能です
ステレオセパレーション40dB(1kHz)普及機の性能です
というチグハグな性能?も気になります。どれかが記述ミスのような気もします。

さっそく全高調波歪率(THD)とステレオセパレーションを観察してみました。

T1001_thdstereol_83mhz_90db_100

T1001_separationlstereo_83mhz_90db_

THD 0.3%、ステレオセパレーション 35dBってとこですか?3次高調波まで派手に出てますし、さらに19kHz、38kHzが盛大に漏れています。やはり上記サイトの全高調波歪率が記述ミスのようです。性能的にはごく普通の普及機ということになりそうです。

2008年10月30日 (木)

ONKYO T-433(4)

こんな様子を見てしまうと、いままで「良い音に聴こえていた」のは何だったんだ?という気になってきます。T-433で聴いてライブ感あるなーと思っていたことが、原音再生とはちょっと違う味付け?の結果かもと思えてきます。

・打楽器や打突音、擦過音がとても間近に聞こえる
→本来の音に加え、高調波が付加されて再生されているのか?

・左右のスピーカーの間を超えて音が拡がりを持って聞こえる
→ステレオセパレーションがいまいちなため、音の定位が悪いのか?

味付けなのか、性能不足なのかはわかりませんが。。。

2008年10月29日 (水)

ONKYO T-433(3)

T-433の全高調波歪とステレオセパレーションを観測してみました。

T433_thdstereol_83mhz_90db_100

T433_separationlstereor_83mhz_90db_

VP-8174Aで信号強度90dB、1kHz、100%変調です。
あららー。なんか、6次高調波くらいまで出てるように見えます。しかも逆チャンネルへも同じくらい漏れてませんか?うーん、いいんですかね、こんなんでcoldsweats01

2008年10月27日 (月)

ONKYO T-433(2)

T-433の内部をお見せしましょう。

T433_internal

「銃夢」の脳チップを思い出してしまったのは、私だけでしょうか?(笑)

電源を構成するいくつかの部品以外は、MITSUMI製のFM/AMチューナーユニットだけです。ここまで徹底してるとは。調整箇所もありません。

メイン基板の右下に切り欠き部分がありますが、ここに写真中央下の緑色の基板がぴったりはまる大きさです。そうレイアウトすると横幅20cm程度になります。おそらく、同じONKYOのINTEC205シリーズのチューナーT-405FXでは、そんなふうにレイアウトされているのではないでしょうか。T-433とT-405FXの値段は数千円違うようですが、箱の値段ってことですかねえ。

ONKYO T-433(1)

KT-727は一休みして、メインで使用中のONKYO T-433を紹介します。
T433_front

同社INTEC275シリーズのチューナーです。「電波時計搭載」が売りのようです。実売2万円前後です。

電波時計の感度は、結構いいです。我が家の居間ではSEIKOの電波時計(SQ670S)秋月の電波時計より安定して電波を捕えているように見えます。

カタログスペックによると全高調波歪で0.3%(STEREO)、ステレオセパレーションで45dB。数値だけ見るとチューナーというよりラジオの性能ですが、実際に放送を聞いてみると、これが結構いけます。一聴して、中音域の密度感があり、ライブ感はなかなか良いです。しばらく聞いていると、「ゴト」「カタ」といった舞台上の物音、管楽器奏者の息継ぎがごく自然に聞こえてきます。ピアノのタッチ感が再現できていますし、平均律による微妙な唸りも聞き取ることが出来ます。そして何より人の声が聞き取りやすい。中音域のバランスが良いのと、子音の再生が良好なのが効いていると思います。ニュースやトーク番組には重要な性能と思います。総じて、反応が早く、元気な再生です。

逆に言うとやや賑やかな印象があります。静寂感とか純度の高い楽音再生とかとは、ちょっと違う印象です。微小音量時にボリュームを上げてみると良くわかりますが、音の芯はあるのですがなにかもやのようなものがまとわりついて聞こえます。

まあ、2万円ですからね。KT-727が高精度反射望遠鏡とすると、T-433は上質のアクロマート望遠鏡といったところでしょうか。PIONEER F-717はアポクロマート望遠鏡。余計わかりにくい?(笑)

2008年10月25日 (土)

KENWOOD KT-727(5) SPECIFICATIONS

WEBを検索してもあまり情報が無いようなのでサービスマニュアルからスペックを抜き出しておきます。

KT-727

FMチューナー部
実用感度10.8dBf(0.95uV)
受信感度
S/N 50dB
MONO 16.2dBf(1.8uV)
STEREO 38.8dBf(24uV)
S/N比 65dBfMONO 88dB
STEREO 76dB
全高調波歪 1kHzMONO 0.02%
STEREO 0.04%
周波数特性20Hz~15kHz ±1dB
キャプチャレシオ1.4dB
イメージ妨害比82dB
スプリアス妨害比100dB
IF妨害比110dB
選択度70dB
AM抑圧比72dB
ステレオセパレーション69dB(1kHz)
50dB(50Hz~10kHz)
アンテナインピーダンス75ohm Unbalance
出力レベル 100%変調0.6V 1.7kohm
受信周波数76MHz~90MHz 0.1MHz step
AMチューナー部
実用感度10uV
S/N比50dB
全高調波歪0.4% WIDE
0.6% NARROW
イメージ妨害比40dB
出力レベル0.18V 1.7kohm
受信周波数522kHz~1611kHz 9kstep
総合
電源50/60Hz AC100V
消費電力15W
外形寸法mmW:340 H:84 D:367
重量3.9kg
発売1984年

2008年10月23日 (木)

KENWOOD KT-727(4) Service Manual

Kt727_servicemanual

全国30人のKT-727ファンに送る?KT-727の調整方法です。まあ、以前から「ひろくん」さんのページに載っているのですが、KENWOOD謹製サービスマニュアルもいいものでしょ?
注意することは、FM Section No.7でVCO調整時、TP6に直接周波数カウンタを繋いではいけません。220kΩを直列に入れてください。
Insert 220k ohm between frequency counter probe and TP6 when you alignments VCO free run(FM section 7).
海外モデル用なので周波数などは適宜読み替えます(後述)

KENWOOD KT-727 Service Manual

No.ITEMINPUT SETTINGSOUTPUT SETTINGSTUNER SETTINGSALIGNMENT POINTSALIGN forFIG.
FM SECTION Unless otherwise specified, the individual switches should be set as following:
SELECTER: FM, TUNING: MANUAL, MUTING: OFF
1BAND EDGE(1)-Connect a DC voltmeter between TP1 and TP2.87.5MHzL77.5V(a)
2BAND EDGE(2)-Connect a DC voltmeter between TP1 and TP2.108.0MHzTC525.0V(a)
Repeat alignments 1 and 2 several times.
3DETECTOR(A)98.0MHz 0dev 100dB (ANT input)Connect a DC voltmeter between TP3 and TP4.98.0MHzL9Confirm that voltage changes to both + and - direction. Then adjust to 0V.(b)
4RF ALIGNMENT(1)(A)90.0MHz 1kHz,±75kHz dev(B)90.0MHzL1,2,3,5Maximum amplitude and symmetry of the oscilloscope display.
5RF ALIGNMENT(2)(A)106.0MHz 1kHz,±75kHz dev(B)106.0MHzTC1,2,3Maximum amplitude and symmetry of the oscilloscope display.
Repeat alignments 4 and 5 several times.
6TUNING LED(A)98.0MHz 0dev 10dB(ANT input)TUNING LED98.0MHzVR1Adjust VR1 so that TUNING LED goes off. Then, adjust VR1 and stop at the point where TUNING LED goes on.
7VCO(A)98.0MHz 0dev 60dB(ANT input)Connect frequency counter to TP6 via an AC voltmeter.98.0MHzVR876.00kHz(c)
8STEREO SUB(C)98.0MHz 1kHz,±68.25kHz dev Selector:SUB, Pilot:±6.75dev 60dB(ANT input)(B)98.0MHzL14Maximum output.
9DISTORTION(1)(A)98.0MHz 1kHz,±75kHz dev 80dB(ANT input)(B)98.0MHzVR2Minimum distortion.
10DISTORTION(2)(C)98.0MHz 1kHz,±68.25kHz dev Selector:L, Pilot:±6.75dev 80dB(ANT input)(B)98.0MHzL5Minimum distortion.
11SEPARATION(1)(C)98.0MHz 1kHz,±68.25kHz dev Selector:L, Pilot:±6.75dev 80dB(ANT input)(B)98.0MHzVR10Minimum crosstalk.
12SEPARATION(2)(C)98.0MHz 1kHz,±68.25kHz dev Selector:R, Pilot:±6.75dev 80dB(ANT input)(B)98.0MHzVR9Minimum crosstalk.
Repeat alignments 11 and 12 several times.
AM SECTION Keep the AM loop antenna installed.
SELECTER: AM, AM IF BAND: WIDE
1BAND EDGE(1)-Connect a DC voltmeter between TP1 and TP2.530kHz(531kHz)L182.5V(a)
2BAND EDGE(2)-Connect a DC voltmeter between TP1 and TP2.1600kHz(1602kHz)TC720.0V(a)
Repeat alignments 1 and 2 several times.
3RF ALIGNMENT(1)(D)630kHz 400Hz,30% mod(B)AM IF BAND: NARROW 630kHzL17,19Maximum amplitude and symmetry of the oscilloscope display.
4RF ALIGNMENT(2)(D)1440kHz 400Hz,30% mod(B)AM IF BAND: NARROW 1440kHzTC6Maximum amplitude and symmetry of the oscilloscope display.
Repeat alignments 3 and 4 several times.
For adjustments of KT-727L
KT-727KT-727L
75kHz dev40kHz dev
68.25kHz dev40kHz dev
6.75kHz dev6kHz dev
530kHz153kHz
1600kHz281kHz
630kHz173kHz
1440kHz250kHz
For Japanese model
87.5MHz76MHz
108MHz90MHz
98MHz83MHz
±75kHz dev100% mod

2008年10月20日 (月)

KENWOOD KT-727(3)

調整方法は後日Upすることにして、調整後の全高調波歪みとセパレーションの成績です。

Kt727_original_signal_lch83mhz60d_3

Kt727_separation_lch83mhz60db100_2

(1kHz,60dB)LchRch
全高調波歪み0.064%0.061%
チャンネルセパレーション70dB67dB

素晴らしいです!
実際に聞いてみてもあきらかに良くなっています。調整前に感じた、中音域の解像感のなさ、低音域の歪んだ感じが完全に解消しました。一つ一つの音がくっきり聞こえます。特に高音域が透明で硬質な印象です。打楽器の抜けが良く、ウッドブロックや鼓の余韻が空間に消えていく描写が美しいです。
60dBといえば中電界相当です。それでこの性能ですからね。信号強度を90dBくらいに上げるとノイズフロアがさらに下がり、SN比が100dB弱、THDが0.04%前後に改善します。

いやはや、みなさんがこの時期のチューナーをほしがる理由がわかりました。

いまメインで使っているONKYO T-433とカタログスペックを較べてみます。

ONKYO T-433KENWOOD KT-727
S/N比(65dBf)70dB76dB
全高調波歪み(1kHz)0.3%0.04%
セパレーション(1kHz)45dB69dB
発売2005年1984年

T-433も決して悪いチューナーでは無いと思います。中音域の厚みや元気の良さは、必要十分と思います。というか、いまONKYOで買えるチューナーでは一番値段が高いです。でも数値性能だけで較べると、明らかにKT-727のほうが1クラス上です。当時はこれが低級品扱いで売られていたと思うと・・・バブル期の日本、おそるべしです。

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